1.動物愛護週間で様々なイベント
9月20日から26日までは動物愛護週間で、各自治体が行事を行うことが法律で定められている。
9月22日(土)・23日(日)には、東京の上野恩賜公園で「動物愛護ふれあいフェスティバル」が開催された。これは環境省、東京都、(財)日本動物愛護協会、(社)日本動物福祉協会、(社)日本愛玩動物協会などで作った動物愛護週間中央行事実行委員会主催の行事で、シンポジウムや愛犬しつけ教室、聴導犬の実演など様々なイベントがあった。私の知り合いもフリーマーケットに出店、どうやったら集客できるかアイデア出しに一苦労していた。
この時期は、日本各地で動物愛護フェスティバルや表彰式など様々な行事がある。気になったのは、秋田県の秋田市遊学舎において開催された、動物管理センターから譲渡した子犬やパートナー犬とその飼い主の同窓会だ。
それは、私がイギリスにいたときに何度か訪問した動物愛護団体が主催してうイベントを思い出したからだ。その動物愛護団体は主に虐待された動物を保護していた。動物たちは施設で暮らすなかでスタッフやボランティアとの心の交流を通して、虐待で受けたトラウマから立ち直り、新しい家族に引き取られるか、その施設で一生を終える。
日本人の感覚だと、そういうところにいるのは犬や猫というイメージだが、馬、ロバ、ひつじなどの家畜もいたのには驚いた。
農家が農場を閉じる時に引き取り手がなくて、困っていたところを引き取ったり、殺されそうなところを保護したりという感じで集まったという。
どこの国の動物愛護団体でも、資金集めと動物の引き取り手を探すのに悩んでいる。それで、チャリティバザーや飼い主や動物たちが楽しめるイベントを開催する。
その団体が開催したドッグショーを見に行った時には驚いた。いろいろなクラスがあるドッグショーの中のひとつとして、「引き取られた犬たちがどんなに家族と仲がいいのか」を競うものや、引き取られた犬と飼い主が並んだ同窓会のようなクラスがあったからだ。飼い主や犬たちはもちろん楽しそうだが、見る側にも「自分もここから犬を引き取りたい」と思わせる効果があるんじゃないかなと思った。
2.目の前にいない動物のことも考えて
いま飼っている犬や猫、小鳥や魚などの動物をかわいがり、適切な飼育をするのは、もちろん重要なことだと思う。
世界各地で絶滅の危機に瀕している動物たちを守るのも、すごく大切なことだと思う。
動物愛護センターに連れて行かない、そこにいる動物たちが引き取られてできるだけ死なないようにするというのも大切。
でも、それだけ? と思ってしまう。
研究室の中にいる実験に使われる動物たちには「愛護」が届かないのだろうかと思う。目の前にいない動物には想像が及ばないのもあるし、人類のためなのだから動物実験は必要だと思っているのかもしれない。
しかし、それは本当に必要な実験なのだろうか? 根本解決というよりも、屋上屋を架すための研究ではないのだろうか?
動物愛護週間なら、実験動物にも思いをはせてもらいたい。