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 HOME > ライフスタイル > 化粧品の動物実験は不要です  
 

動物実験を減らすためのライフスタイル

化粧品の動物実験は不要です。

久下幸子(ミス・アプリコット)

1.「動物実験」をせずに
  安全性の確認はできるのですか?

 「動物実験をすることによって安全性が確認される」と思われがちですが、これは間違った先入観です。その理由の一つは、「動物実験」自体が種差などを軽視した科学的にも妥当でない実験方法であるからです。(この根本的で非科学的な過ちについては長くなるので、また別の機会にご説明します。)もう一つの決定的な理由は、化粧品の認可制度を知ることによって誰でも容易に理解できることです。

 現在、化粧品の製造・輸入に関しては「薬事法」という法律のもと、厚生省の管轄下で許可や認可が行われています。この「化粧品」の中には石鹸や歯磨き、ヘアケア製品、浴用剤なども含まれます。これらの製品(売り物でなくても)は製造に際して必ず上記の許可あるいは認可を受けることになっています。

 その際、その製品の成分の中に許可前例のない新規原料やホルモンを含有する場合のみ、動物実験を含む安全性試験のデータ提出が義務づけられています。

 化粧品の原料としては、「化粧品原料基準」や「粧配規」等に、香料約5000種、他原料約2000種という膨大な数の原料が、すでに安全性(危険性?)の判明しているものとして収められており、この組み合わせの中で化粧品を作る場合には、動物実験を含む安全性試験のデータを提出する必要がないのです。

 実に7000種という原料が認められており、これらの組み合わせの全てが安全であるかどうかさえ定かでないのに、この上さらに動物実験をしてまで新規原料を増やしていくことは、人間にとっても有害で愚かな行為ではないでしょうか。

 この化粧品の認可制度が意味するところは、『7000種の原料以外に、これまで人間がその用途に用いたことのない新規原料や危険性の高い成分を製品に使う時だけ動物実験を含む安全性試験のデータを提出しなさい!7000種という、とりあえず安全性の明らかな原料だけ使うぶんには動物実験をしなくてもいいですよ』ということであり、裏返せば『動物実験データをしなければ認可のおりないような成分は、まだ人間がその用途に使ったことがないから、危ないかも!』という事実を裏付けているのです。

 『動物実験をしなければ認可のおりない化粧品より、動物実験をしなくとも許可される化粧品の方が安全性が高い』という事実、これでお解りいただけましたでしょうか?

 人間だれしも、知らず知らずのうちに「先入観」という非論理的な思いこみにとらわれやすいものですが、自分の目で見、耳で聞き、頭で考え直してみると思いもよらない真実が見えてきたりするものです。

 ちなみに「ミス・アプリコット」では、これまで人間が使ったことのない新成分より、長く市場に出回り多くの人間が使用してきて特に問題の起きていない成分の方が安全性は高いという判断に立ち、ポジティブリストの原料のみを使用することにより、「動物実験」をせずに厚生省の許可を得ています。また製品開発においては、製品自体のテスト(製品を極端な高温、低温の環境にさらしたり、数カ月間の時間経過において成分の変質がないかどうか等を調べます)、スタッフによるパッチテスト、インビトロの刺激性テスト等の試験を行い、原料ばかりでなく、成分がブレンドされた場合の安全性にも留意しています。

■参考:新規原料を配合する化粧品等の承認申請の添付資料より

【眼刺激性試験】
試験動物
原則として成熟白色ウサギ
動物数
原則として1群3匹以上
用 量
原則として0.1ml(液体)又は100mg(個体)
投与方法
片方の眼の下眼瞼を眼球より穏やかに引き離し、結膜襄内に投与し、上下眼瞼を約一週間穏やかに合わせる。 他方の眼は未処置のまま残し、無処置対照眼とする。 眼刺激性を示す物質は点眼後に洗眼を行う。
観 察
原則として1、24、48、及び72時間後に眼の観察を行う。

代替法が適当な場合はその方法による。

*上図は眼刺激性試験を例に挙げた。試験内容、方法はこの限りではなく、犠牲となる動物も様々だ。


 

 

 

化粧品の動物実験は
不要です。
- Q&A -

久下幸子
(ミス・アプリコット)
ミス・アプリコットは、AVA-netの活動会員により創設された化粧品会社です。

1.「動物実験」をせずに安全性の確認はできるのですか?

2.動物実験をしていないメーカーは?

3.動物の犠牲をなくすために私たちにできること

4.化粧品の選びかた「無添加」「自然派」表記にまどわされないように!

5.化粧品の選びかた 薬事法と成分表示について

6.化粧品の選びかた 薬事法と効用表示について

※1〜6は、1996年から1997年に会報『ALIVE』に掲載した記事です。

 
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