AVA-net Newsでお知らせしてきた、東北大学の動物実験に関する書類の一部非開示処分に対する不服申し立てについて、6月11日付で、内閣府情報公開審査会から、答申が出ました。
答申の全文は、内閣府情報公開審査会のホームページに掲載されています。 (アクロバットリーダーが必要です。)
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/index_t.html
平成14年度057番のところをご覧下さい。
(参考)共同通信ニュース速報
東北大医学部などが実施した動物実験について、情報公開法に基づき開示された実験計画書の大半が墨塗りだったのは不当と仙台市の女性が異議を申し立て、同大の諮問を受けた内閣府情報公開審査会が、実験責任者の氏名や講座名のほか、研究内容や動物納入業者名についても一部を開示するよう答申していたことが二十九日分かった。
答申は、最低限開示が必要な情報内容を示したもので、今後の目安となりそうだ。東北大は「学内で審議するが、答申を尊重したい」としている。
動物実験をめぐっては、動物保護団体などから「必要以上の苦痛を与えているのではないか」「野生ニホンザルやペットの犬、猫を捕獲して実験用に密売する業者がいる」といった指摘がある。激しい研究競争も背景にあり、研究機関は開示に消極的になりがち。
この女性は昨年五月、動物実験の計画書、実験動物の納品書などの開示を東北大に請求。同大は、講座名や研究者の氏名のほか、実験の目的や方法、動物の納入業者名などを塗りつぶした文書を開示した。
同審査会は、昨年十二月から双方の意見を聴取。「過激な団体の嫌がらせを受け研究に支障が出る」などとする東北大側に、女性側は「不開示は閉鎖的な内部関係者の判断で公益に反する。研究予算は税金で、説明責任がある。全面開示すべきだ」と反論していた。
答申は、講座名や講師以上の研究者氏名、所属、職名などについて@市販の職員録でも公にされているA論文などで研究者自ら公表している―として、不開示には理由がないと判断。実験施設に対する嫌がらせ事例が過去にあったことは認めたが「直ちに研究に支障を及ぼさない」とした。
また、具体的な実験内容は、特許や研究に支障のない範囲で限定的に開示し、民間の動物納入業者の名前は、了承を得た業者に限って開示すべきだとした。
(了)
[2002-06-29-15:55]