新しい法案は、2009年までに世界のどの国であれ動物実験が行われた化粧品が(EU域内で)販売されることも禁止している。
ストラスブルグ発:
ヨーロッパ議会は、水曜日、EU域内において2009年までに化粧品の動物実験のほとんどを禁止し、また世界のどの国であれ動物実験が行われた化粧品をEU内で販売することを禁止する法案を通過させた。
法案は、2003年11月にEUの各政府との間で合意された妥協案であり、これはEU閣僚による形式上の承認を必要とするものであるが、3種類の実験に関しては代替法が開発されるまでの猶予期間が与えられ、2013年までは継続可とする。
「議会は、動物が人間の虚栄心を満たすことを目的につくられる新たな製品のために苦しみを受けることを、これ以上、決して認めないのだということを明らかにした。」イギリス自由党クリス・デイビスは議会に対して語った。
しかし、アニマルライツのキャンペーイナーたちは、いくつかの動物実験が少なくとも2013年までは許容されることに、怒りを表明している。この「条項逃れ」は、化粧品業界が、動物を使用しない不適当なテストが有効となってしまうと主張することで、完全な販売禁止から身をかわすことを潜在的に可能にしている、とイギリ動物実験廃止連盟のウエンディ・ヒギンスは語った。
すべての化粧品、ハンドクリームから口紅、香水までが、癌や排卵減少といった潜在的な副作用を調べるためにテストされる。
しかし動物福祉団体によれば、毎年、EU域内において38000もの動物たちがその必要がないにもかかわらず新しい製品開発のために死んでいる。
多くのEU政府が、最初はヨーロッパ連合と輸出国との間に貿易摩擦を起こす危険があるとして、議会による製品禁止という圧力に抵抗した。
しかし、EUの行政執行部であるヨーロッパ委員会は、この法案は正しいものであると表明。「解決策は、消費者の健康を守り、国際的な責任を全うする一方で、動物福祉にも純粋な恩恵を与えるものである。」ヨーロッパ・エンタープライズ・コミッショナーのエリッキ・リーカネン(Erkki Liikanen)は議会に対して語った。
だが、化粧品業界側はそれほどの確信を持ってはいなかった。
「アメリカと日本がどのような反応をするだろうか。我々には分からない。」ヨーロッパ化粧品、香水協会のスポークスマン、アニック コールマンは言う。
「化粧品会社は、2009年までに代替法を見つけることを、「極めてチャレンジングなこと」と考えるだろう。」「もし、代替法が見つからなければ、より少ない成分で製品を開発することになる」と彼女は付け加えた。
イギリス、ドイツ、オーストリア、ベルギー、オランダは、すでに化粧品の動物実験を禁止している。しかし、EUの法案とは違い、これらの禁止ではこれまで外国から輸入される製品については動物実験を禁止させるには至らなかった。