イエール大学医科大学院研究チームはコレステロール、動物性タンパク質、ビタミンB12を多く含む食事と腹部ガン発生率の上昇との間に関連があることをつきとめた。また、食物繊維、ベータカロチン、葉酸、ビタミンC、ビタミンB6などの植物性栄養素にはこれらのガンの発生率を下げる効果があり、さらにビタミンCサプルメントを常用すると腹部中央から下部におけるガンの発生率を40パーセントほど下げることもあきらかになった。
イエール大学医科大学院疫学公衆衛生部助教授でイエール・ガンセンター副所長であるメイン博士によると、食道と胃噴門の腺ガンは1970年代半ばから30年足らずの間に3倍にも増えている。この急増の原因を究明するために米国立ガン研究所はイエールを含む国内3ヶ所の研究所で大掛かりな研究を開始した。
研究チームはいくつかの州で1095人の腹部腺ガン患者に食生活、そして栄養サプルメント摂取に関するインタビューを行い、その結果を687人の健常者のそれと比較して対照研究をおこなった。
その結果、食品に含まれる動物性栄養素が腹部腺ガンにかかるリスクと密接な関係があり、どの栄養素が発ガンのリスクを下げる効果があり、ビタミンCサプルメントの常用が腹部腺ガンのリスクを大幅に下げることがわかった。
また、上のデータをもとに別の分析が行われたが、これにより肥満が腹部腺ガンと深いつながりがあることもわかった。アメリカでの肥満の増加がこれらのガンの急増の要因となっており、その予防のためには植物性食品を増やし、動物性食品を減らし、肥満にならないようにすることが重要だという。