OECD:
動物実験ガイドラインからLD50テストを削除
AVA-net
News No.86 (2001.5-6)
翻訳:宮路
経済協力開発機構(OECD)は、急性経口毒性試験用LD50(実験動物の半数が死ぬ量を調べて科学薬品などの毒性を評価する実験)を廃止することになった。このテストは、最低20匹の実験動物に化学薬品を徐々に増やして与えていき、半数が14日以内に死亡する量によってその毒性を調べるものだが、昨年のOECD会議でガイドラインからの削除が決定した。
このテストの代替法としては3つのテストが指定されている。ひとつはイギリスで開発されたもので、実験動物は4匹しか必要とせず、実験動物が死亡することはほとんどなく、代りに毒物学者が動物の様子などから致死量を測定することができる。ふたつめは、ドイツの代替法で、1匹の実験動物に科学薬品を少しずつ増量しながら与えるもので、大抵は致死量まで増量されるが必ずしもすべてが死ぬわけではない。もうひとつはアメリカの代替法で「アップ・アンド・ダウン方式」と呼ばれ、最初にテストされた実験動物の状態に応じて与える量を増やしたり減らしたりするもので、やはり半数は死亡するが使用される動物の数は9匹前後だ。代替法への移行については、今後1年の間に段階的に行われる予定。
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