【アメリカ】
NASA放射線動物実験計画取りやめ
AVA-net 海外 ニュース No.148 2011-5-6 翻訳:カバリヤまほ
一般からの強い抗議を受け、NASA(アメリカ航空宇宙局)はオスのリスザルを高度の放射線に被曝させる実験計画を取りやめた。2010年12月8日にNASAが、放射線動物実験計画の提案を取り下げることを正式に発表している。
NASAは、一度の放射線被曝でどれだけリスザルに影響があるかを研究するバイオケミカルの動物実験の提案をしていた。この実験の目的は、宇宙空間で人間が長期的に低レベルの放射線を受けるとどうなるかを知るためだ。
動物を愛する多くの人たちの協力と、米国人道協会、責任ある医療のため医師委員会などの動物擁護団体などが、一年以上かけてNASAに放射線実験の取消しの圧力をかけてきた。
無意味な実験
米国人道協会、動物実験問題のプログラムマネジメント責任者、キャサリーン・コンリーは、「NASAがこの実験計画を取りやめる決意したことを大変に嬉しく思っている。実験に使われるリスザルたちは、何の得にもならない実験に使われ、残酷な苦しみを味わっている。被曝したリスザルに、どれだけの悪影響があるかは既に判明しているはずだ。」と語っている。
実験に抗議する声は以下のようなものがある。
・被曝により、高い知力と社会性を持つリスザルが激しく苦しみ、嘔吐、髪の毛や歯が抜ける、脱力感、自傷行為などの症状を示す可能性が高い。
・同じ目的で驚くほど多数の動物実験が行われてきている。
・一度の高レベルの放射線にリスザルを曝すのと、低レベルの放射線に長時間人間が曝されるのでは不一致な点が多すぎる。
2011年2月24日
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