【アメリカ】
「実験動物のケアと使用に関するガイド:第8版」発行
AVA-net 海外 ニュース No.147 2011-3-4 翻訳:宮路正子
長い間、高い評価を得ている資料、「実験動物のケアと使用に関するガイド」が専門家委員会によって改定された。この改定では、科学・実験動物関係者や一般市民からの意見も考慮されている。ガイドには、水生動物を含む通常の実験動物に関する科学情報が盛り込まれ、また、幅広い参考文献も含まれており、動物使用に関する主な事項について編集されている。
その要旨は以下のとおり:
動物のケアと使用に関する主要概念 − ガイドは実験動物の人道的ケアと使用に関する枠組みを定めている。
動物のケアと使用プログラム − ガイドは多岐に渡る動物のケアと使用プログラムの概念について議論している。その中には実験施設の職員、担当獣医師、動物のケアと使用に関する委員会の役割と責任についても含まれている。
動物飼養環境、取り扱い、および管理 − この内容に関する章では、陸生動物と水生動物の項に分け、居住設備と環境、取り扱い、行動および頭数管理、その他に関する提案を記載している。
獣医療 − ガイドは獣医療と担当獣医師の責任について言及している。これには、実験動物の購入と輸送、予防医学(生物テロに対する安全措置を含む)、臨床におけるケアと管理に関する提案も含まれ、動物の苦痛の認識とその軽減措置、安楽死をめぐる問題についても記載している。
施設 − ガイドは、排水、振動、騒音管理、環境モニタリングなどの考慮すべき事項、動物の住居設備と研究の必要性に応じた特別な施設の建造など、設計に関わる問題点を指摘し、機能領域に関するガイドラインを提供している。
実験動物のケアと使用に関するガイドは、動物実験施設の管理に必要とされる判断の枠組みを提供する。改定され、範囲を広げた、すでに定評のあるこの資料は、科学者、研究者、獣医師、動物飼養管理者、施設管理者、組織管理者、研究問題に関わる政策立案者、動物福祉活動家にとって重要なものとなるだろう。
実験動物のケアと使用に関するガイドの全文は以下を参照:
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=12910#description
2011年1月5日
Altweb: Alternatives to Animal Testing ? Johns Hopkins Bloomberg
School of Public Health
http://altweb.jhsph.edu/
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