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 HOME > 海外ニュース > EU、動物実験規制法の制定へ  
 

海外ニュース

【EU】

欧州議会、科学研究を阻害することなく

動物試験を規制する法律を課す

AVA-net 海外 ニュース  No.141 2010-3-4 翻訳:宮路正子

 欧州連合動物実験指令の改正案は、欧州議会と欧州理事会の代表が大筋で合意に達したことを受け、一歩前進した。焦点は、深刻な病に対する取り組みを妨げることなく動物福祉を改善することだ。

 議員たちは、倫理的な理由から、科学目的に使用される動物の数を減少させることを求める一方で、規制が研究の妨げとならないための配慮もしている。改正案が承認されれば、動物実験の数を減らし、動物福祉を保護するために、個々の実験の評価が義務付けられる。

 議会代表としてこの交渉を進めたエリザベート・ジェグル議員は、「動物実験に関して、ヨーロッパはすでに世界一高い福祉基準を持っていますが、改正指令は、その基準をさらに高いものにします。昨日の最終共同会議では、基礎研究も含めた重要な研究を、動物福祉基準がはるかに低い国々ではなく、ヨーロッパで今後も続行することを可能にする一方で、動物福祉を強化するというバランスのとれた妥協点を見つけることができました」、と述べた。

 議会と理事会の代表団が作成した合意書は、EU法が採択されるために必要な承認手順の一部だ。

 この合意書には議会政党の承認も必要となる。また、これには改正案がすべて含まれているわけではないので、完全な合意書が正式に提出される前に、さらなる交渉が必要だ。合意書は、まず議会の農業委員会に、それから本会議に提出され、最終採決される。未解決問題には12月のリスボン条約施行後に変更されたコミトロジー手続き(欧州委員会が加盟国の代表等からなる専門委員会を設けて、事実上その場で内容を決定し、欧州委員会指令として採択するプロセス。手続き的に議会や理事会の審議プロセスを経ない)も含まれるが、これらについては来年(2010年)、スペインを議長国とする理事会で対応する。

代替法考案のためのさらなる努力

 「共同会議では、議会の代表団は、多くの重要事項に関して、議会が第一読会で示した立場を貫くことができました。特に、実験動物の繁殖業者、供給業者、使用者に対する検査に関して、理事会が議会の立場を受け入れたことには満足しています。しっかりとした検査システムは、これから導入される規制の遵守を確実にするために不可欠のものです。 このようにして、高い動物福祉基準がヨーロッパ中で適用されますが、これは人の健康と尊厳を守るために重要な研究の実施を妨げるものではありません」、とジェグル議員はいう。

 EUでは、毎年、約1200万匹の動物が科学研究に使用されている。改正案では、科学のために必要な場合に限り、動物を実験に使用できるとしており、承認後は、使用される動物数が減少する可能性がある。また、すべての加盟国は、科学的に有効な動物実験代替法がある場合、代替法が行われることを確実にしなければならないとしている。

 議会と理事会の代表団は、また、科学的に満足できる結果を提供し、かつ、動物の苦痛を最小限に抑える殺処分方法を取り入れた実験だけが許可されるべきだという点でも合意した。

深刻な疾病の研究を損なわずに霊長類の使用数を減少

 チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータンなどの大型類人猿の科学実験使用を禁止する提案は、共同会議の際、両方の代表者の多くが支持した。 しかし、議会代表団は、提案された規制は、マカクなど、他の霊長類の使用も制限し、アルツハイマーなどの神経変性疾患のヨーロッパにおける科学的研究を妨げる可能性があるという。

 そのため、議員たちは、これらの霊長類を使用しないと実験の目標が達成できないという科学的な証拠がある場合、霊長類の使用が許可されることを求め、合意書にこれが盛り込まれた。

実験の苦痛度の分類

 2つの代表団は、議会での第一読会で承認された修正案により、実験の最中に動物が受ける痛みを3つに分類 (「軽度」、「中度」、「重度」) し、 法律の定義を明確にすることでも合意した。委員会は、実験による苦痛の繰り返しを避けるために、実験の分類が「軽度未満」の場合に限り、動物の再使用を許可することを求めている。

 一方、議員側は、適用基準が厳し過ぎると、より多くの動物が実験に使用されることになり、改正案の趣旨に背くことになるとして、獣医師の意見を取り入れつつ、動物の再使用可能の基準を「中度」の痛みを伴う実験と定めるよう求めている。 これには麻酔を使う血液検査や移植も含まれる。

検査と評価に関する条項

 議会代表団は、規定条項の実施を確実にするために、動物実験を行う機関の定期的かつ効果的な検査の必要性を強調している。

 合意では、各国政府が、少なくとも動物実験施設の33%の検査を行い、ときには抜き打ちで行わなければならないとしている。また、委員会は、各国の検査機関をその管轄下に置く。

 さらに、委員会は、この法案が施行された後、5年後にこれを評価し、見直さなければならない。

<補足説明>
 2009年12月1日付けでリスボン条約が施行され、欧州議会は、新たに立法機関として重要な権限を持つことになった。これにより、農業、移民、エネルギー、EU予算などを含む、ほとんどすべてのEU法は、欧州議会と閣僚理事会が共同で決定することになる。 また、市民の直接選出による唯一のEU機関として、多くのEU機関の最高位職選任に対してより大きな発言権を持つなど、市民に対する責任をEUの確実にすることにおける議会の立場が強化されている、

2009年12月8日
Policy Dialogue International
http://www.egovmonitor.com/node/31785

* 欧州動物実験指令改正に関するこれまでの動きについては、
AVA-net 会報No.124(2007年5/6月)
http://www.ava-net.net/world-news/124-1.html
AVA-net 会報No.137(2009年7/8月)
http://www.ava-net.net/world-news/137.html

をご覧下さい。

 

 

 

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