AVA-net 海外 ニュース No.140 2010-1-2 翻訳:宮路正子
EU動物実験指令の改訂作業が行われているが、その改訂案が容認する動物の苦痛の程度に、英内務省職員は驚いている。
「科学目的に使用される動物の保護」に関するEU指令改訂案は、サル、イヌ、ネコ、子ウマを、重度で継続する痛みを与える実験への使用を許可しているので、動物の骨を折り、感覚を麻痺させるほどの電気ショックを与え、多臓器不全を引き起こすような外傷を与え、長期に渡り、動きを阻止するように拘束し、孤立させて飼養することができる。
また、改訂案によると、「重度の不快感」を与えるような場合でも、異種間臓器移植を行うことができ、動物の種類も、ビーグルなどの小型種に限定されず、セント・バーナードなども含まれる、家族運営の厩舎で繁殖されたウマやポニーもヨーロッパの実験施設で使用することができるのだ。
指令改訂案に従えば、イギリスではすでに禁止されている行為が可能になるが、イギリスは、国内法遵守を課し続けることができ、内務省は、国内の規制が弱められることを望んでいないという。
英国動物実験反対連盟(BUAV)は、一般市民の関心を無視したとEUを非難しているが、動物実験の支援団体“プロ-テスト”のトム・ホールダーは、人への利益が動物の苦痛を上回る場合のみ研究が許可されてもいいのではないかという。
2009年10月4日 The Times Online
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article6860177.ece#