ロレアル、反動物実験に向けて躍進
AVA-net 海外 ニュース No.125 2007.7-8
翻訳:宮路正子
2007年5月10日
動物実験の安全な代替法として、大手化粧品メーカーのロレアルがヒト皮膚から開発した新しい刺激性テストの有効性が欧州動物実験代替法評価センター(ECVAM)に認可された。
ECVAMの科学的諮問委員会は、最近、新たに開発された皮膚刺激性テストにおける動物の使用を廃止することができる5つの試験管内(in-vitro)試験の発表を行ったばかりだ。
ロレアルが子会社SkinEthicと共同で開発したこの代替法は、化粧品業界全体での利用が可能であり、パーソナルケア業界における動物実験の廃止に大きく貢献することになる。
ECVAMは、ロレアル・エピスキン・モデルと名づけられたこの'in-vitro'
試験を先月末、認可した。これは同社が最近買収したボディショップの理念を表し、環境面により配慮するという会社の目標への一歩前進のプロセスとされている。
研究開発担当副社長ジャン-フランソワ・グロリエール氏は、20年以上かけた皮膚再建の研究が認められたということで、これは動物の実験使用廃止へ向けた大きな一歩だ、と述べている。
ロレアルは1989年以来、動物実験を行わない原料や完成商品への耐性を評価するためにコラーゲン上に再構成したヒト皮膚を開発する研究を続けてきた。
ECVAMからこの代替法を認可されたことで、ロレアルは、まもなく施行される化学物質の登録・評価・認可に関する法(REACH)
で義務付けられる1万の物質の動物実験を置き換えることができる。
REACH法は今年7月1日に施行され、試験方法として動物実験を使った厳しい評価プロセスを通して1万の指定化学物質の認可を得る必要がある。その後、化学物質はヘルシンキにある欧州化学物質局で登録されなければならない。
しかし、ロレアルは現在のところ、エピスキンによる実験の評価では使用するすべての原料の法的認可を得ることはできない。
ECVAMが先月発表した新しいテストは、ロレアルのものと同様に、ヒト皮膚や屠殺場からの廃棄用組織を使用して化粧品や洗剤のような日用品に含まれる化学薬品の影響を測る。
欧州連合の規則によれば、いったん代替法が導入された化粧品については動物実験を廃止しなければならず、この試験が加盟27ヶ国すべてに受け入れられれば、夏の終わりまでにその導入が実現する可能性がある。
Cosmetic design-europe.com
http://www.cosmeticsdesign-europe.com/news/ng.asp?n=76416-l-oreal-animal-ecvam