【アメリカ】
オレゴン州でも解剖実習代替法の選択が可能に
AVA-net 海外 ニュース No.114 2005.9-10
翻訳:宮路正子
オレゴン州では、クロンゴスキー州知事が承認した新しい法律により、ブタの胎児やホルマリン漬けのカエルの解剖を行いたくない生徒は、模型、インターアクティブ(相互応答)なCDやビデオを通して解剖学について学ぶことが可能になった。全米ではすでに11の州が州法などによって代替法の選択を認めている。
医師免許を持つポーラ・レイ・ウィルソンも法案を支持して証言したひとりだ。ウィルソンは、解剖学を学ぶには解剖実習以外にもいくつかの方法があり、解剖実習は、動物が人間のために存在していて、人間は動物を好きなように扱っていいという良くないメッセージを送っていると思う、と語った。
ウィルソンと医師である夫は、16歳になる息子サンフォードと解剖について議論したが、サンフォードはあまりに多くの動物が科学のクラスで無駄に命を奪われていると感じていたし、また、宗教上、あるいは、倫理的な理由から解剖に反対する学生も動物を解剖しなければならないのを憂慮していたという。
動物を解剖することが代替法より教育的価値があるか疑問であるし、無駄に生命を奪うことなく動物を解剖する方法もある。自宅の裏庭などで死んでいる動物がたくさんいるのだから、解剖学を学びたいなら、そういった死体を使用すればいい、とウィルソンは付け加えた。
新法では、学校側は授業科目に動物の解剖が含まれる場合、それを親と学生に通知する義務があり、解剖実習を望まない場合、模型、ビデオ、インターアクティブCDの代替法が用意されている。
オレゴン人道協会で働くケリー・ピーターソンは新法が学生の権利を守り、彼らが代替法によって解剖学や生物学を学ぶことを可能にするという。ピーターソンは、20年近く前に自分が高校生だったときにこの法律があればよかった。自分は良い生徒だったので成績のことが気になり、解剖実習の代替があればよいのにと思ったことを覚えているという。
2005年7月13日
The News-Review Online
http://www.newsreview.info/article/20050713/NEWS/
107130057&SearchID=73215884956279
On the Net:
Senate Bill 383
www.leg.state.or.us
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