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 HOME > 海外ニュース > 【アメリカ】 最もよく使用されている医薬品に重大な副作用  
 

海外ニュース

【アメリカ】
最もよく使用されている医薬品に重大な副作用

ファイザー製薬が販売するリウマチ・鎮痛剤薬 Celebrex

AVA-net 海外 ニュース  No.112  2005.5-6
翻訳:宮路


 ファイザー製薬、1999年の治験でCelebrexの危険が明らかになっていたことを認める。(New York Times)

 ファイザー製薬が販売しているリウマチ薬・鎮痛剤薬として人気のある Celebrex は、同社が、1999年に行った臨床試験中、この薬を服用していた年配の患者がそうでない患者より心臓障害を起こす確率がはるかに高かったと認めたことで、新たな打撃を受けた。

 ファイザーは、臨床試験に不備があったとして、治験結果の意味を軽くしようとしているが、この結果は世界最大の製薬会社ファイザーが、以前に Celebrex の安全性に関して行った公式発表に矛盾している。昨年10月、メルク社が同様の薬、Vioxxが臨床試験により心臓発作を起こす危険性があることが判明したとして回収を決定した際、Celebrex の危険性に関する憂慮が高まったが、ファイザーは、Celebrex が心臓病の危険を高めるという結果は、それまでに終了したどの研究でも示されていない、と述べ、また、その後、同社が実施した結腸ガン予防研究では、Celebrex が心臓発作などと関連があることが示されたが、この結果はまったく予測しなかったことだと述べている。

 そして今、ファイザーは、1999年に行われたアルツハイマー病治療に Celebrex が有効かどうかを調べる臨床試験で、Celebrex を投与された患者の心臓発作発生率がプラシーボ(偽薬)を投与された患者のおよそ4倍にものぼっていたことを認めた。ファイザーの自社分析によると、この差は統計的に重要であるという。

 しかし、この研究は一度も発表されず、米食品医薬品局(FDA)が Vioxx と Celebrex の安全性についての大掛かりなレビューを行った4ヵ月後、2001年6月までFDAにも提出されなかった。FDAのレビューに関わった2人の医師は、ファイザーの1999年の研究については昨日まで知らなかったという。医師のひとり、インディアナ医科大学医科大学院の医学教授ケネス・ブラント博士は、安全性審議委員会がこの研究について知っていたなら、Vioxx と Celebrex 両方の薬品を、より慎重に処方するよう勧告していたという。 同委員会は、Vioxx が心臓血管に対する危険についての警告を表記するための勧告を決定したが、Celebrex についてはこの勧告決定をしておらず、この違いが、Celebrex の販売成績が Vioxx のそれよりも高い大きな理由だ。

 消費者団体 Public Citizen の代表ウルフ博士は、1999年の研究は、Celebrex が危険であるということを改めて示しているという。Public Citizen は、薬の販売を禁止するようFDAに要請している。ウルフ博士は、昨日、問題の1999年の研究を公表した。博士はそれを先週ファイザーと他の製薬会社がいくつかの臨床試験結果の掲載を始めた新しいインターネットサイトで見つけたのだ。データは、その数週間前にはサイトになかったという。

 しかし、ファイザーの Celebrex 担当医療チーム責任者コークウェル博士は、昨日、この研究の重要性を強調しすぎるべきではなく、他の多くの臨床試験が Celebrex は安全であり、関節炎患者にとって重要な治療法であることを示している、と述べた。

 Celebrex は世界中で最も広く処方されている薬のひとつで、昨年の販売成績は33億ドル(約3600億円)だ。 ファイザーが1999年に販売を開始して以来、およそ2500万人が服用しており、少なくとも年に20億ドルの売り上げをファイザーにもたらしているとアナリストは見積っている。 しかし、去年の秋、Vioxx の回収により、cox-2 抑制剤として知られる同種の薬品すべての安全性に対する不安が高まって以来、その売れ行きが鈍っている。ファイザーが販売する別の薬品 Bextra も cox-2 抑制剤のひとつだ

 昨日、1999年の研究が明らかにされた後、ファイザー社株は19セント下げて24.16ドルと、1997年以来の最安値を記録した。メルクも、Vioxx 回収以来、株は21パーセント下落している。

 ファイザーは Celebrex が関節炎患者の重要な代替薬であるとし、その安全性を強調している。1999年の臨床試験には不備があり、結果を重要視するには小規模すぎたという姿勢を崩していない。

Celebrexが アルツハイマー病治療には有効でないことを示した1999年の研究は、2000年にスウェーデンで行われた会議で発表されたが、この研究の安全性に関するデータが発表されたかどうかについては知らない、とコークウェル博士は述べている。

 当時、ファイザーは Celebrex の販売は行っていたが、製造はファイザーではなく、Pharmacia 社が行っていた。ファイザーは2002年後半に、主に Celebrex ともうひとつの関節炎治療薬 Bextra を100パーセント同社のものとする600億ドルでPharmacia を買収した。

 コークウェル博士は、Pharmacia がなぜ研究結果をFDAに送らなかったかわからないという。ファイザーは、Pharmacia 買収後、Celebrex の危険性を示す証拠は全くなかったと患者や医師に告げている。

 10月1日、メルクの Vioxx 回収決定後、ファイザーはプレスリリースで何年もの間の複数の研究が Celebrex の心臓血管への安全性を際立たせる証拠を積み重ねており、いずれの研究においても Celebrex が心臓血管への危険を増加させたことは示されていない、と述べた。

 実際には、1999年のアルツハイマー病研究では、Celebrex を服用した285人の患者のうち22人に心臓発作、心筋梗塞、その他の心臓系統の問題が起きたことが分かった。一方、プラシーボを服用した140人の患者では、3人しか同様の問題が起こらなかった。このふたつのグループのサイズの違いを考慮すると、Celebrex 服用者は心臓系統への影響が約4倍も高かった。

 研究では、患者は、関節炎患者の平均服用量である400ミリグラムの Celebrex  を毎日服用し、 プラシーボのほうが副作用が少ないという統計的に重要な差が観察された、と研究の著者は説明している。

 コークウェル博士は、臨床試験におけるこの差について、Celebrex を服用した患者のほうがプラシーボを服用した患者よりたまたま重症だったということが原因かもしれず、そうだとすれば、患者グループの差は意図的ではなく、まったく無作為の結果であり、患者はそれぞれ、非常に異なる心臓血管の病歴を持っている、という。

The Herald-Tribune、2005年2月1日
http://www.heraldtribune.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/
20050201/ZNYT01/502010681/1018/NEWS02

※4月7日、米食品医薬品局(FDA)は、PfizerにBextra(valdecoxib)の市場からの自主回収を勧告:http://www.fda.gov/medwatch/SAFETY/2005/safety05.htm#Bextra

 

 

 
 
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