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海外ニュース

【イギリス】

なぜ動物実験が誤った科学であるのか

AVA-net 海外 ニュース  No.109  2004.11-12
翻訳:宮路


◆人と動物の種差

 動物実験が過ちであるのは、人間以外の動物を苦しめるという理由からだけではない。人間の疾病のほとんどは人間特有のものであり、他の動物で実験を行ってもその結果は誤ったデータを引き出すだけだからである。

 動物実験が人間の疾病およびそれに対する治療の正確なモデルを提供できるのか疑問視する科学者たちがいる。彼らは、薬物療法の効果が、種によって大幅に異なる可能性があることを指摘する。

 これまでに、動物実験への盲信が多くの悲劇を生み出してきた。抗リューマチ薬Oprenは、7年間の動物実験を経てその安全性が保証されたが、イギリスで76人の命を奪い、3500人もの人に重い副作用をもたらした。同様に、何千という心臓病患者が、動物実験を入念に行った薬Eraldinの副作用に苦しんだ。その後行われた実験では、Eraldinに対して人間と同じように反応する動物は一種類も見つかっていない。大手製薬会社は、このような結果にもひるむことなく、動物実験へのさらなる助成金を要求し、自分達の活動を制限する動物福祉法に反対するために、ガンやHIVのような致命的な疾病にたいする一般市民の恐れを利用してきた。

◆HIV薬の開発における過ち 

 HIVに対する戦いは、動物実験の落とし穴の典型的な例を示している。プロテアーゼ阻害剤(抗HIV薬)は死亡率の低下に大きく貢献し、多くのHIV感染者がほぼ正常な生活を送ることを可能にし、HIV感染は死刑宣告から対処可能な身体状態へと変わった。

 しかし、これらの非常に有効な抗HIV療法の開発の初期、動物試験への依存が大きな障害となった。最近の医学スキャンダルの中でも特に大きなものは、プロテアーゼ阻害剤療法の臨床試験が4年遅れたというもので、このために世界中で何万もの人が無駄に命を落とした可能性もある。

 1989年に、大手製薬会社メルク・シャープ&ドーム社(MSD)の研究者らは、有望なプロテアーゼ阻害剤を開発していたが、この薬をイヌとネズミを使って実験するまでは、すべてうまくいっていた。実験に使われたイヌとネズミはすべて死亡し、同社で最も有望だったプロテアーゼ阻害剤の開発は中止された。人間にも同じ致命的な作用があるだろうと判断されたのだ。結果として、人命を救う可能性のあった療法の研究は1989年に中断され、新しいプロテアーゼ阻害剤(Crixivan)の臨床試験は1993年まで開始されなかった。

 この遅れについては、MSDの上級研究者、エミーニが確認している。調査報道記者フライドは、動物データへの依存がどのようにしてMSDに最初のプロテアーゼ阻害剤を放棄させるに至ったかをワシントン・ポスト誌の記事の中で明らかにしている。

 薬の動物実験が失敗なのはすぐにわかった。毒物学者は実験に使用しているイヌが死にかけているとエミーニに報告した。ネズミも同じような状態だった。薬は、肝臓へ胆汁が流れ込むのを阻止してしまうのだ。エミーニは、動物実験の結果がこれほどひどい場合、人間で臨床検査を行うことは非倫理的であると思い、そこで4年の月日が経ってしまったのだ。

 MSDは、その後のプロテアーゼ阻害剤Crixivanの発明に結びついた主研究では動物実験は行わなかったことを認めている。MSDの科学者は、HIVが人間に特有の疾病であるという知識に基づき、HIVの構造とそれがヒト細胞との間に相互に及ぼす作用に注目し、プロテアーゼ阻害剤をコンピューター上で開発し、非動物実験を用いて安全性テストを行った。

 プロテアーゼ阻害剤がエイズウィルスの成長を阻止する可能性について研究するためには、動物実験は必要ではなく、行わなかった。阻害剤がどのような働きをするべきかについて我々はすでによく理解しており、臨床試験に入る前にコンピューター、培養細胞、生化学アッセイによって評価することができた、とMSDの前国際基礎研究部門副社長シャピロはいう。

 これは、動物実験がプロテアーゼ阻害剤開発のために科学的には必要ではなかったということを暗に認めているような発言だし、また、主研究において、非動物実験方法は信頼できるデータを提供することができたのだ。MSDが新薬のテストをイヌとネズミを使って行うことを決定して初めて、プロテアーゼ阻害剤開発は暗礁に乗り上げた。動物はすべて肝機能障害で死亡した。

 私たちは今、プロテアーゼ阻害剤は人間においてイヌやネズミと同様の致命的な結果を引き起こさないことを知っている。それどころか、HIV感染者の生活を劇的に改善したのだ。

 抗HIV療法開発におけるこれらの後退は、動物実験に基づいた医学研究の科学的な欠点を強調している。動物実験で得られるデータは、人間には適用できないのだ。

 政府は、動物実験施設の拡張を支援する代わりに、新薬毒性試験のための細胞、組織、器官などのバンクや、人体の働きや革新的な治療の効果をシミュレートするバーチャルリアリティ・スーパー・コンピューターなどの代替法の開発に資金を提供したほうがより効果的に医学を支援することになるではないだろうか。

 人間の疾病のほとんどは人間に特有なものであり、その治療は、他の動物ではなく人間の生理学を勉強することによって見つかる可能性が最も高い。

2004年8月9日 (New Statesman)
http://www.newstatesman.com/site.php3?newTemplate=NSArticle_
NS&newDisplayURN=200408090013

 

 

 
 
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