【オランダ】
動物実験の統計を発表(2002年)
AVA-net 海外 ニュース No.107 2004.7-8
翻訳 宮路
オランダの動物実験に関する統計が公表された。この統計によると、81の施設(その下に所属する336の機関を含む)が2002年に登録している。施設の内訳は以下の通り。
大学、および大学病院 15
その他の病院および
自治体公衆衛生試験場 3
公衆衛生研究施設 9
農業・獣医学研究施設 8
その他の研究施設 4
企業 30
職業訓練校 9
その他 3
オランダでは、26の動物倫理委員会が実験のプロトコール評価を行っている。
■侵襲的処置を行っていない動物を殺す場合
オランダでは、例えば臓器・血液採集目的のために、侵襲的処置を行っていない動物を殺す場合、これを実験とみなす。これは、現代の方法(人道的方法)で認められている最小限の痛みを伴う方法で動物を殺す場合、実験や他の科学目的のための動物の使用は実験と見なさないという欧州評議会協定(European
Convention for the Protection of Vertebrate Animals used for
Experimental and Other Scientific Purposes, Strasbourg, 18.III.1986)やEC動物実験指令(Directive
86/609/EEC)とは対照をなすものである。2002年に殺された侵襲的処置を行っていない動物の数は、63,235である。
■実験に使用された動物の合計数
EU発表の統計によれば、2002年、実験に使用された動物の合計数は640,303で、これは、2001年(630,243)より1.6パーセント(10,060)増加しているが、2000年(658,543)より2.8パーセント減少している。
オランダの統計によると、724,025の動物実験が行われ、13,385の動物が軽度の不快を感じる実験の被験体となり、21,031の実験で同じ動物が再度使用された。よって、実験に使用された動物の合計数は702,994である。
遺伝子組み換え動物の合計使用数は108,075と、2001年の70,856と比べるとかなり増えている。この内訳は、マウスが103,358、ラットが73、ウサギが337、両生類が3,118、魚類が1,189となっている。
2002年に行われた動物実験では:
・239,003(37.3%)の動物が軽度の不快を感じ、
・175,468(27.4%)の動物が軽度/中程度の不快を感じ、
・129,239(20.2%)の動物が中程度の不快を感じ、
・57,701(9.0%)の動物が中程度/強度の不快を感じ、
・37,880(5.9%)の動物が強度の不快を感じ、
・1,639(0.2%)の動物が非常に強度の不快を感じた。
NCA(The Netherlands Centre Alternatives to
Animal Use)
ニュースレターNo.16、2004年3月
http://www.nca-nl.org/English/Newsletters/newsletters.html
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