【国際】
OECDが動物実験代替法を受け入れ
2004年5月21日
The Federal Institute for Risk Assessment (BfR)
ドイツ連邦リスク評価研究所 プレスリリース
AVA-net 海外 News (2004.5.27)
世界中で今後、人間の安全のためという名目で苦しむ動物が減ることになるだろう。
今年5月、OECD(国際経済開発機構)が初めて動物を使用しない4つの毒性試験方法をOECDテストガイドラインプログラムに採用する運びとなった。ZEBET(動物実験代替法の記録化および評価のための調査研究所)がこれらの方法の開発とバリデーションに主要な役割を果たしている。
ZEBET代表のスピールマン教授によれば、BfRが、公的に規定されていた動物実験を動物の利用を要しない方法に置き換えることに重要な役割を果たしたという。新しい動物実験代替法の内2つは、ある物質が皮膚に腐食効果をもたらすかどうか、もたらすとすればどの程度もたらすのかを測定するもので、他の2つの方法では、皮膚への異物による浸透と物質の光毒性を測定する。
ウサギの代わりにバイオ技術により作られた人間の皮膚モデルが腐食性試験に使用される。人間の皮膚サンプルやと殺された動物の皮膚サンプルあるいはバイオ技術で作られた人間の皮膚モデルを利用して、皮膚への物質浸透が試験される。光毒性試験では、実験動物の代わりに培養組織が使用される。
これらの試験は現在、公的な機関により国際レベルでその実施が指令されているが、これは、新しい化学物質の使用に際しての職場での安全確保と消費者保護を目的とする。代替法は工業用化学物質、化粧品の成分、薬品などのテストのための苦痛に満ちた動物実験に取って替わることになる。BfRはバイオロジーに関する包括的な統計分析に対して財政支援を行ってきたが、この分析結果は国際的な容認を確保するための重要な要因となった。
2001年、2つのOECD 専門家会議がベルリンで開かれた。BfRのスタッフ1名がパリに派遣されていたのだがこの期間、彼はOECDメンバー国組織内にあった、これら新しい代替法に関する科学面での疑義を晴らすことに成功した。
今日ではこれらの方法は、OECDメンバー国全ての関係当局により公式に認可されている。このこと(認可されていること)は、動物実験を要しない新しい毒性安全試験方法が、動物の福祉という観点で成功することの前提条件となる。
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