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 HOME > 海外ニュース > 自殺を誘発する薬品の副作用  
 

海外ニュース

米食品医薬品局は
自殺を誘発する薬品の副作用について
口をつぐんでいたのか

AVA-net 海外News No.106 (2004.5-6)
翻訳:宮路


 米議会は、一般市民を保護するはずの食品医薬品局(FDA)が医学的証拠を入手しながら、抗うつ剤と未成年者の自殺行為との関連性の可能性に対して迅速な対策を講じなかった可能性について調査している。

 アメリカでは一千万の未成年者にPaxilなどの抗うつ剤が処方されており、こうした薬が実際に自殺の傾向を促進するかどうかは重大な問題だが、昨夏、この関連性がPaxilの製造元、グラクソ・スミスクラインのデータの中で明らかにされた。

 我々はこの件について憂慮している、とFDAの内部文書には書かれており、FDAは、医療担当職員のひとり、アンドリュー・モショルダーに8つの抗うつ剤と問題を抱える何千人かの未成年者に関する研究の分析を命じたが、彼が見つけたものは火に油を注ぐものだった。

 CBSニュースが入手した文書によれば、抗うつ剤を飲んでいた未成年者では、偽薬だけを飲んでいた未成年者と比較すると、自殺に関連する出来事が2倍あったことが分かった。

 モショルダーは、この発見を、無視することは難しい、としているが、一般市民はこの結果を知ることはなかった。複数の情報源によると、モショルダーがFDAの委員会に提出する報告書をまとめていた先月、FDAの上層部が介入し、報告書の結論を決定的なものでなく曖昧にするよう圧力をかける、という信じ難いことが起こった。しかも、土壇場になって、モショルダーの報告書を協議事項から完全に削除した。

 しかし、モショルダーの報告書の内容は、メディアに流れ、この情報が一般市民に知らせるべきものであるのは明らかであるにもかかわらず、FDA上層部は誰がリークしたかを見つけるために犯罪捜査を開始した。

 今月初めに、FDAは、抗うつ剤と自殺に関する警告を出したが、モショルダーの報告には触れず、強力な証拠が実際にあるわけではないような言い回しで内容を和らげた。

 臨床研究同盟の患者擁護活動家ハッスナー・シャーレイは、FDA上層部が消費者ではなく製薬業界の利益を守っている。自分たちが知りたいのは、FDAがなぜこの証拠を握りながら公表せず、今さら、何の証拠もないような振りをしているのかということだ、という。

 議会も同じ疑問を持っている。FDAは抗うつ剤と未成年者の自殺行為との関連性を隠蔽しようとしたのか、そして、事実を明るみに出した職員に制裁を与えようとしたのか。

CBS News 2004.3.30
http://www.cbsnews.com/stories/2004/03/30/eveningnews/main609491.shtml

 

 

 
 
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