10月20日、大阪の会員3名で初めて犬管理指導所を訪問し、収容されている犬達に会いました。
今まで、見てみぬフリを決め込み、一番遠ざけていた場所です。殺される生命を目の前にして無力な自分を痛感することや心を痛めて傷つくことが、とても恐かったのです。
こんな臆病者が覚悟を決めたのは、現実から逃避してはいけないという思い、映像や伝聞でしか知らない「事実」を、この目で確かめたいと思ったからです。とはいえ、前夜は一睡もできませんでした。
所長の案内で下に降りていくと、犬達が一斉に叫び始めました。その声に足がすくんでしまう自分を叱咤激励し、何とか持ちこたえることができました。
大阪府下(堺市など指定都市を除く)で集められた犬達を、一目で見渡せるほどの広さしかないこの場所に抑留することにも驚きましたが、猫は即日処分だとか、仔猫の場合、数が少ない時や生後間もない子はビニール袋に入れて、その中に炭酸ガスを注入するなどと聞くと、これがここの日常なのだ、抑留所(処分場)とは、そういう場所なんだとあらためてショックを受けました。
この日、20頭足らずの成犬がいましたが、首輪をつけている子が多く、ほとんどが飼い主によって持ち込まれたそうです。ウチの犬にそっくりな子、腫瘍に侵され片目を失った子の姿を見たときには、溢れる涙を止めるのに必死でした。
元の飼い主達の言い分は、おおよそ身勝手なものばかりで、大切な命を奪うに値する理由などは持ち合わせてはいません。簡単に飼って、簡単に捨て、また飼う。いつまでこんな愚行を繰り返し、罪を重ねるつもりなのか。おそらく、本人達に罪の意識などなく、善良な一般市民と信じて疑うことはないのでしょう。
でも、今まで背を向けていた私も同罪ではないだろうか?何もしないということは、この人たちを容認することでは‥。目の前の犬達を見て、いろいろと考えさせられました。
動物を、どれほど苦しめることができるのも人間、愛情をかけて救うことができるのも人間。同じ人間なら、私は後者になりたい。動物たちの代弁者になりたいと、心から思った一日でした。
施設への見学者が増え、声を上げる人が多くなれば、きっといつかはこの子達を救えると信じています。どうか皆さんも、勇気を出して施設の訪問をしてください。