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 HOME > ライフスタイル > 東洋医学によるガン対策  
 

動物実験を減らすためのライフスタイル

連載:代替医療と本当の動物実験代替法 最終回

東洋医学によるガン対策

AVA-net 119 (2006. 7-8) より
 濱井千恵(御薗治療院代表、鍼灸師)


ガン罹患率と生存率

 私が鍼灸学校に通っている頃には、日本のガン患者は4人に1人と云われていましたが、今は3人に1人、あるいは2.5人に1人なのだそうです。大気汚染や粗悪な食べ物も因子となって、大腸ガンの患者数はとうとうアメリカを抜き、肺ガンに関してはガン死因のトップになりました。ところがこんなに増加しているガンの生存率もまた増えているのです。

 ここで少し考えてみることにしました。罹患率や生存率の統計ですが、母集団をどのように置いて数字を出しているかという問題が生じます。ミリ単位の小さなガンを摘出して、その患者が5年以上生存していると計算している場合、これはその人の生命力で生存したに過ぎないのではないでしょうか?

ガン早期発見

 当院に来院する患者さんの既往歴にも、ガンの手術を記載している人が年々増加しています。どのようにしてガンが発見されたのか尋ねると、大半が人間ドッグ、あるいは会社の定期検診や成人検診での早期発見だったという答えが返ってきます。ある患者さんは1センチもない小さな肺ガンが人間ドッグで見つかり、わざわざ東京の有名な病院に出向き、腹空鏡による摘出手術で片肺の3分の2を取り除いたそうです。本人も早期発見だったので本当に有り難かったと私に嬉しそうに話してくれるのですが、彼女の大きく傾むいた身体や息苦しそうな症状は、決して治ったという言葉は使えそうにもありません。1センチ未満の肺ガンは、手術が有効かどうかはまだ確立されておらず、それどころか手術が最適であるという科学的根拠は一切ないそうです。その上臨床試験もなく、手術によって短命になる可能性も否定できないという報告もあります。

抗ガン剤治療

 肺ガンの特効薬と云われたイレッサという抗ガン剤で多くの人が亡くなりました。ですが、アジア系の民族にはイレッサが適応するという医師もいます。当院の患者さんで肺ガンから脳にまでガンが転移した人は、イレッサを服用し両方のガンが消滅しましたが、結局は亡くなりました。またイレッサを服用すると、ある日突然猛烈な苦しみに襲われて短時間で死亡するという報告もあります。

 他の末期の肺ガン患者さんで全く抗ガン剤や放射線療法をしなかった人は、余命1ヶ月と云われたのですが、3年も生き、更に亡くなる1日前まで家族旅行を楽しみ、殆ど苦しまずに亡くなりました。ですが抗ガン剤の大量投与や放射線療法を受けた人は胸水が貯まり、まるで溺れるような苦しみで亡くなったこの違いを見ていると、特にこれという治療法が確立されていない肺ガンでは、どの治療が良いのか考えてしまいます。

 40代の卵巣ガンの患者さんは、術後の抗ガン剤治療を受けるとテンカン様の発作が起こるのですが、医師にそれを伝えても、多少の副作用は我慢しろ、転移したら大変だから途中で止める事は絶対にできないと云ったそうです。しかし病院で抗ガン剤の点滴を受けている最中に大発作を起こすと、医師はいとも簡単に抗ガン剤治療を止めました。ところが止めてからの彼女は顔色も良く、基礎体温も上がり、更に血小板も増え、抜けた髪や眉毛もあっという間に生えそろって、嬉しそうな顔で治療院にやってくるのです。既に3年が過ぎますがいたって順調です。

 日本では抗ガン剤がかなりの数で余っているそうで、臨床例の数が物をいう大きな大学病院などでは治験も随分必要でしょう。それらを考えるとどうもガンの早期発見、早期治療という言葉には裏があるような気がしてならないのは、下司の勘繰りでしょうか?

ガンは怖い?

 確かにガンだと医師から告知を受ければ誰しも平常心を失うでしょう。それは私も同じでした。ですがどういうわけか手術もせず薬も飲まず、運良く3度ともガンは消滅し、現在はその疑いすらありません。ガンにも自然消滅できるものもあるのだと、私は身をもって実感しています。そのようなガンを早期発見だと云って、摘出手術や抗ガン剤治療が必要なのかは疑わしい限りです。

 ガン=死の時代は少しずつ変わってきています。どれだけ動物実験を繰り返しても、新薬の開発や手術の技術が向上しても、このガンに関しては西洋医学では限界があると云って、代替医療を取り入れる医師も少なくありません。ですが、藁にもすがりたい末期や進行性のガン患者を食い物にする健康食品業者も沢山あり、3兆円を下らないと言われるサプリメント業界と手を組む医師もまた大勢出てきています。

心の余裕を

 この12年間多くのガンの患者さんを診てきましたが、ガンには様々な種類と進行の仕方があります。そして私たちが考えているより案外進行も遅いのです。それを熟知した上で、西洋医学と代替療法のどの組み合わせがその患者に適応しているかという診断が、きちんとできなければならないこと、そして何よりも心を支えるということがとても大切な気がしています。最近の調査では、三大成人病でももし死ぬならどれを選ぶかという調査では、ガンが1位だったのです。それは死期まで時間があるという理由でした。

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※濱井さんの連載は今回で終わります。日本の医療の問題は、病気になってからの治療に労力を使いすぎ、病気にならないようにする予防の方法にはほとんど目が向けられていない状態だと思います。予防医学、全体医学の観点をもつ東洋医学の考えにたち、医療の現場で毎日尽力されている濱井さんには、お忙しい中執筆いただき、たいへんありがとうございました。また機会を改めて随時、記事をお願いいたしたく存じます。(野上)

 

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濱井千恵
(御薗治療院代表、鍼灸師)

東洋医学療法、御薗治療院を開院、気の診断をベースに鍼、テーピング療法や独自の気動整復法、オイルマッサージを施術。常用薬やサプリメントの適応診断なども行う。現在は地元スポーツジムや治療院の患者を対象にヨーガ教室も開催。

御薗治療院
http://www.o-misono.com/


TAPS
http://www.taps.gr.jp/

連載「代替医療と本当の動物実験代替法」の筆者、濱井千恵さんが主宰するTAPSのホームページです。

 

 

 

 



 
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