<資料>
海外の動物実験規制法
【イタリア】
動物実験に対する良心的拒否に関する法律
翻訳:竹内紀子
Y413 1993年10月12日
動物実験に対する良心的拒否に関する法律
第1条 良心的拒否の権利
世界人権宣言、人権と基本的自由の保護のための国際協定、及び、市民権と参政権に関する国際協定によって、思想と良心と宗教の自由が認められており、その権利の行使において、良心に従ってあらゆる生物への暴力に反対する者は、動物実験に結びついたあらゆる行為に対して自己の良心的拒否を表明することができる
第2条 良心的拒否の表明の効力
医者、研究者、医療や看護に関する専門的学位を得て専門職に従事する者、またその関係の大学生は言うまでもなく、自己の良心的拒否を表明した者は明確かつ不可避的に動物実験に結びついた活動に直接参加しないものとする。
第3条 権利行使のための条項
1 良心的拒否は、選考試験への参加や職務引き受けの要請が提示された時点で表明されること。
2 大学生は、動物実験が行なわれる可能性がある講座の開始する時点で、自身の良心的拒否を講座の教官に表明する。
3 良心的拒否の表明はいつでも撤回することが出来る。
4 本法律の最初の適用の進行中は、関係者から、動物実験を行なう組織の責任者へ良心的拒否が本法律の発効日から6ヶ月以内に表明されること。
5 公的私的にかかわらず、動物実験を行なうことが認可されたあらゆる組織は、動物実験への良心的拒否を出来るという権利をすべての従業員や学生に周知させる義務を有する。さらに同組織は、本法律の定めるところにより、動物実験の良心的拒否を宣言するための書式を予め準備する義務を有する。
第4条 差別待遇の禁止
1 いかなる者も、動物実験の実行や協力を拒否したことによって不都合な結果をこうむってはならない。
2 第1条にしたがって、動物実験に対する自己の良心的拒否を表明した者が、公的或いは私的仕事に従事している場合は、現存の組織が備えている範囲内で、同等の勤務評定と経済的待遇を維持しつつ、動物実験が予定されている仕事とは異なる仕事につける権利を有する。
3 大学における関係機関は、動物実験が予定される研究所の教習への出席を任意のものとしなければならない。講座の内部では、本法律が発効してから次の学年の始まるまでに、試験に及第するために動物実験を必要としない教育方式を始動させること。学部の事務局は動物実験に対する良心的拒否の権利を可能な限り周知させることを確かなものにすること。
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