<資料>
ドイツ動物保護法
ー動物実験に関する条文より
1993年に改正されたドイツ動物保護法の中から、特に動物実験に関する章を要約してご紹介します。
第1条:法律の目的
この法律の目的は、同胞としての動物に対する人の責任に基づいて、動物の生命及び健在を保護することである。何人も、合理的な理由なしに、動物に対して痛み、苦しみ又は傷害を与えてはならない。
第7条:動物実験の許認可
1、動物実験の定義
2、動物実験は、それが不可欠である場合にのみ、行うことができるとして、
(1)人と動物の病気頭の予防、診断、治療等。
(2)環境への危害の診断
(3)人もしくは動物への有害性の恐れがある材料または製品の検査
(4)基礎研究−現在の科学的知識の現時点の状況に基礎をおく、かつ、他の方法によって代替できないかどうかを検証した上で実施。
3、脊椎動物に対する実験は、さらに厳しい基準のもとにおこなう。
4、武器、弾薬、及びそれに付随する器具の開発またはテストのあtめの実験は禁止する。
5、タバコ製品、洗剤及び装飾用化粧品の開発のための実験は、原則として禁止。
第8条:脊椎動物の実験の認可義務
1、脊椎動物の実験は、実験計画の認可申請を要する。
2、実験の認可申請書の記載事項
3、認可申請の要件
4、認可決定の要件
第8条a 認可を要しない動物実験の義務
第8条b 動物保護受託者
第9条 動物実験の実施
1、動物実験者の資格
2、動物実験の制限事項
3、実験計画の長の責任
第9条a:記録作成義務
1、実験の目的、使用動物の数と名称、実験の方法と成果を記録し報告する義務、及び記録の3年間の保管、査察のために主務官庁に提出する義務
2、連邦大臣は、主務官庁に対し、実験動物の種、数、実験方式に関して届け出を義務付けることができる。
第11条:動物の飼育、動物取引の許可義務
1、以下の場合は主務官庁の許可を要する。
・実験動物の飼育、保有、)動物の保管業、犬猫その他の家畜を飼育・保有を業とする者
・その他動物取扱業
2、許可の要件
第11条a:記録義務、標識
1、実験動物の飼育者、脊椎動物の取引を行う者は、動物の血統及び所在に関して記録を作成し3年間保持しなければならない。
2、実験動物としての犬、猫の飼育者は動物に標識を付けなければならない。
第15条 施行管轄
1、動物実験の認可決定を行う委員会は、過半数が獣医学、医学または大学の自然科学の専門的知識を有する者で構成され、かつ動物保護団体の推薦リストから選ばれた者が3分の1を構成する。
2、法律の施行における獣医師の役割
3、連邦国防軍における動物実験についての規定
第16条d:報告義務
連邦政府は、議会に対して2年毎に動物保護進展の状況について報告する。
第17条:刑罰行為
・法律の違反は2年以下の自由刑又は罰金
第19条:没収
第20条:動物保有の禁止、刑罰行為
・17条違反者は、動物の飼育、取引その他職業上の動物との関わりを1年以上5年以下の期間又は永久に禁止
「外国の立法」(平成7年7月発行)国立国会図書館調査立法考査局資料より
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