<資料>
EU(ヨーロッパ連合)における動物規制法の概要
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実験その他の科学的目的に使用される
脊椎動物の保護のための欧州協定
NO. 123(1986年3月18日)
本協定は、痛み、苦しみ、苦悶ないし持続的な害をもたらす恐れのある処置(実験)に用いられる動物を保護し、避けられる限り、これらを最小限にとどめることを保証する一般条項の採択を期して策定された。
主な条項をあげる:
・上記の処置は特定の目的に限定すること。
・自由な動き、環境、給餌・給水、ケアなど、その実験動物の健康と安寧にかなった
収容と観察に関する条項。避けられる苦しみを防ぐために、動物の健康と福祉について科学的に厳密な点検を行い、動物の繁殖や飼育の状態を毎日最低1回は点検すること。
・合理的かつ実際的な代替法がある場合は、動物を実験に使用しないこと。
・各国は代替法の科学研究を奨励すること。
・動物を使用する場合には、処置の内容だけでなく使用する種を慎重に検討し、動物数を最少に、かつまたもたらされる苦しみを最小限にとどめるようにすること。
・苦しみをできる限り除去できるように、処置にあたっては(特定の例外を除き))麻酔/鎮痛を行うこと。
・苦痛をともなう実験は、届け出をして承認を受けること。
・そうしなければ動物が持続的な苦痛または苦悶にさいなまれる恐れがある場合は、実験終了時に人道的な方法で殺処分すること。
・動物を生かしておく場合には、実験終了時に適切なケアを行い、獣医(もしくは別の資格のある者)の観察下におくべきである。
・苦痛をともなう実験に使用した動物は(特定の限られた場合を除き)、さらなる処置に使用してはならない。
・動物実験を行う者の認可(免許)についての条項。
・繁殖および供給施設の登録についての条項。
・繁殖/供給施設における記録保持/統計に関する条項。
・施設内の犬猫には、必ず恒久的な個体識別用の標識をつけ、その由来も記録しておくこと。
・使用者施設の登録についての条項。
・使用者施設における動物用の設備と機材の設計、構造、運転についての条項。
・十分な訓練を受けたスタッフを配置すること。
・動物のケアと福祉の責任者を選任すること。
・獣医の助言と治療を受けるための適切な手配。
・獣医顧問を選任すること。
・登録繁殖施設から直接入手すべき(特別な例外を除いて)動物のリスト。
・野良犬猫は実験に用いないこと。
・記録保持についての条項と統計に関する条項。
・教育・訓練を目的とした動物の処置は、必ず個々に規制を受け(当局への届け出、資格のある人物による監督など)、その目的を達成するのに他に適当な方法(視聴覚教材など)がない場合に限ること。
・動物の処置を行う者の監督、教育および訓練についての条項。
ALIVE資料集 No.5 海外の動物保護法【EU編】より
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