【アメリカ カリフォルニア州】
州知事、動物実験の削減案に署名
AVA-net News No.83 (2000.11-12)
翻訳:宮路
アメリカ、カリフォルニア州のデイビス州知事は9月19日、実験動物の数を削減するための州法に署名した。新しい州法では化粧品などのパーソナル・ケアや家庭用品、殺虫剤などの商品開発に動物実験ではなく連邦政府承認の代替法を使用しなければならなくなる。ドリス・デイ動物連盟(DDAL)によると、民間企業は動物実験の報告義務がないので、毎年どのくらいの数の動物が使用されているのか把握できていない。1997年、連邦政府は代替法の特別調査委員会を設置。この委員会にはコルゲート・パルモリブ社、プロクター&ギャンプル社−この2社は今回の州法も支持している−などの会社と米国人道協会(HSUS)やDDALなどの動物福祉団体が参加している。この連邦特別調査委員会はこれまでに2つの代替法を連邦基準を満たす、あるいはそれより優れているとして承認している。しかし、連邦法ではこの委員会が承認した代替法の使用を義務づけていないので強制力がないが、カリフォルニア州の新州法ではこれが義務化される。基の法案には医学研究者と製薬会社の実験も含まれていたが、製薬会社のロビイストが、製薬業界を除外しなければ法案自体をつぶすと圧力をかけたので法案を修正しての成立となった。DDALは特別調査委員会の決定に法的効力を持たせるための連邦法を起草し、この法案は今上院での審議待ち。
(サンフランシスコ・クロニクル紙)
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