【海外】
タフツ大学で致死実習が全廃
翻訳:宮路
アメリカ、マサチューセッツ州のタフツ大学獣医学校は、今まで選択制だった<致死実習>(犬などを解剖の実習に使用後安楽死させる)を、来年度から全面的に廃止すると、この2月に発表した。これは、全米に27ある獣医学校でも初めて。
この<致死実習>は5年前に必須から選択に変更されたが、その背景には、動物を救うためとはいえ、健康な動物を傷つけたり、殺したりしたくないという獣医学生自身の強い要望があった。そういった学生達が地元のニューイングランド動物実験反対協会(NEAVS)に支援を求め、NEAVSは大学当局にコンピューター・モデルなどの代替法キットや資料などを提供、大学側も、一流の獣医学外科学訓練を提供すると同時に動物の人道的な扱いを促進するために努力し、終始、双方が協力して<致死実習>の廃止を実現させた。新しいカリキュラムでは、地元シェルターに引き取られた犬・猫の避妊・去勢手術などで実習の機会が十分に与えられ、また、コンピューター・モデルの使用で必要な知識・技術を学ぶことができる。
また、大学側は、これまでの調査で、選択実習を行なった学生と行わなかった学生の間で、技術面で何ら差が見られないと述べ、これは学生が卒業後働いている職場の上司などからのフィードバックでも確認されている。
<致死実習>に反対する獣医学生は全米、特に、フロリダ、オレゴン、イリノイなどの州で積極的に活動を行っており、NEAVSにも毎週、何百という問い合わせのメールや電話が来るという。
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