私たちは昨年夏から、長野県知事宛てに動物保護条例の制定を求める署名を集めてきたが、アライブ会報での呼びかけに応えてくれた全国の方々のご協力も頂き、12月には、5,435名分の署名を担当の食品環境水道課乳肉衛生係へ届けた。その後、さらに2,517名分の署名が集まったので、今度は是非とも知事に直接渡したいと思っていた。しかし多忙の知事とアポを取ることは難しく、「知事室へようこそ」の抽選に当たるのを期待していたところ、3月29日の募集定員10組の内に入ることが出来た。
15分という短い時間しかもらえないので、見てもらいたいものはすべて前もって送っておこうと思い、アライブの会報36号と37号(活動内容を知ってもらうためと、ニホンザルについての記事が載っていたため)と、「行政による犬ねこ殺処分についての全国自治体アンケート結果報告書」などを送っておいた。
人数は5名以内とのことで5名で訪問。県庁1階のガラス張りの知事室の入口で、知事は握手で迎えてくれた。
まず、活動主旨を、アヴァネットのチラシも見てもらいつつ、簡単に説明。知事は「私は動物実験を必ずしもなくすべきだとは思わない人間です。かといって人間のために動物が利用されることを野放しにしていいとも思いません」と考えを表明。動物実験の是非についての議論は、今回の目的からはずれるので、言いたい事を我慢。
次に、動物保護条例の制定を求める文面について、幾つか補足説明をした。犬猫の実験払い下げ廃止の明文化。動物取り扱い業を、現動管法では届出制のところを登録制か許可制にすること。動物実験施設の届出制について。また、保健所で犬猫を持ちこんだ人に見せて欲しいビデオとして、「残された命」のテープを渡した。
殺処分される犬猫を減らすための対策を列挙した、知事宛ての要望書(昨年12月に担当部署に渡しておいたもの)に目を通していた知事からの、「避妊手術というのは、猫権や犬権にとってはどうなんでしょうか?」という問いに対して、殺処分される犬猫には子猫・子犬が圧倒的に多いこと、発情しても交配させなければかえって大変な苦痛を与える事などを説明して、避妊手術の必要性を強調した。知事は別に不妊処置に反対しているわけではなく、「あえて聞いてみただけです」とのこと。
その後、トラバサミやらニホンザルの有害駆除やら、言いたい事が山ほどあるせいで、収拾がつかなくなりかける一方、知事は「この問題は、担当部署からレクチャーを受けないといけないね。なんらかのガイドラインは必要だと思う。野生鳥獣の問題も含めて。」と傍で控えていた人に指示していた。
最後にAさんが、トラバサミについてのメールを知事に送ったところ、それまで長い事何もしてくれなかった担当部署がすぐに動いてくれたと、お礼を言ったところで、面会時間は終わってしまった。
本当に短い時間だったので、話し足りない気がするが、これからもいろいろな問題について勉強しつつ、再度訪問したり知事宛てにメールしたりして、働きかけをしていきたいと思う。
尚、署名に協力してくださった全国の皆様、本当にありがとうございました。
この場を借りてあらためてお礼申し上げます。