[北海道]
地域密着型の動物愛護施設の建設を
AVA-net News No.100 (2003.5-6)
S.M.(北海道)
地域に密着した動物愛護施設の建設を求める要望
2002年12月11日
当会は、動物保護のために活動する全国規模の市民団体として、道の動物行政に関して、度々提案や意見書をお送りしてきました。今回、道が動物愛護条例を定め、行政の施策をよりよく運用できる体制に取り組まれていることを評価いたします。この機会に、動物の収容施設の設置にもぜひ取り組んで頂くよう、以下の要望をいたします。ぜひ、ご検討下さるようお願い申し上げます。
道は動物愛護条例の中で、犬又はねこの引取り時に、
(1)安易な飼育放棄を認めず、終生飼養を求めること
(2)無計画な繁殖を防止するため、親犬又は親ねこに不妊措置をするよう助言及び指導をすること、とし、また、これらの施策を進めるために、動物愛護監視員(職員)の設置をしています。
上記の事項は当会を含む全国の動物保護団体が長年の間求めてきた事柄でもありますが、現実に一匹でも多くの生命を救うためには、これに加えて以下の施策が必要です。
(3)新たな飼養者が見つかる可能性のある動物については処分日を延長し、健康状態のチェック、不妊去勢手術をするな
どして、可能な限り一般譲渡の幅を広げていくこと。
(4)たとえ処分される生命であってもその最後は苦しみや恐怖のない方法を取ること。
(5)責任ある飼い主を育成するためには、犬のしつけや猫の飼い方教室など、日常的に動物の適正飼養を普及する活動を広げること。
このような施策を進めていく上で、土台となるのが、動物の収容施設の設置です。道では、犬猫の引き取りは保健所単位で行われており、その収容施設の状況は、殺処分待ちのためのもので、狭く、暗く、不衛生で、たいへん劣悪な状態です。
他県では長野県のように、動物愛護センターなど愛護行政の拠点となる施設を設置し、里親探しや動物愛護教育をしているところも増えていますが、道にはそのような施設が存在しないので、動物愛護施設の設置が早急に必要です。
道が今年7月からはじめた「飼い主を探すネットワーク事業」を成功させるための拠点としても動物愛護センターは必要と思われます。
また、飼い主の責任や生命尊重の認識を根付かせていくためには、地域住民の理解と協力を得ていくことが欠かせません。
道のように広い地域では、地域に密着した小規模施設を各所に設置することが実際的であり有効です。
また、傷病鳥獣保護のためセンターは、既に他の多くの県が設置しているますが、道はいまだにこのようなセンターがなく、動物愛護センターが、その役割も果たしていく必要があります。この点からも動物愛護センターの一日も早い設置が望まれます。
地域に密着したセンターを作り、住民が参加して、ともに動物愛護の施策を実現していけるよう、開かれた地域密着型愛護施設が設置されるよう、ここに要望致します。
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