動物実験廃止・
全国ネットワーク
(AVA-net)
★動物実験Q&A★
Q2 ムダな動物研究の例をあげられますか。
A2 MRMCの科学者や臨床医が要請を受けて動物実験のプロジェクトを再吟すると、ほとんど常に重大な科学的欠陥がみつかり、研究の価値に大きな疑問が生じるということがあります。ひとつの例はシンシナティ大学における頭部外傷の研究ですが、ここではネコに人為的に頭部損傷を与えて人間の場合の頭部損傷への理解を深め治療法を改善しようと試みましたが、ネコと人間とでは解剖学的および生理学的差異があるため、失敗に終わったのです。MRMCの文献には、他にも多くの事例があげられています。
根本的に問題なのは、動物モデルとそれが模倣することになっている人間の疾病とでは解剖学的、生理学的、病理学的に大きな違いがあるということです。『ニューイングランド医学雑誌』に最近掲載されたある論文は、「人間も動物も癌で死ぬことがある」ということを根拠にして、癌研究における動物実験を正当化していました。しかし、(実験室で)急速に増殖する癌細胞を若くて健康な動物に注入しても、そこからこ形成される腫瘍は、人間の主要な癌とは生物学的に異なるものです。人間の癌はたいてい高齢者に自然発生的に生ずるもので、ゆっくりと成長する腫瘍なのですから。
MRMCの科学者たちは、精神疾患や薬物中毒の動物モデルに対してはとりわけ批判的です。人間以外の動物は、精神分裂症のような精神疾患にかかるようには見えません。(たとえ動物が妄想や幻覚におちいったとしても、それをどうやって知ることができるのでしょうか。動物は私たちにしゃべってはくれません。)また、麻薬常用の原因となるようなきわめて重要な社会学的、文化的、精神病理学的要因も実験室で再現するのは不可能です。